☆夏の終わりに

ふれあい祭りも終わり、その後は特に大きな事件も無く退院を迎えた
もう9月である。

俺の主治医であるF先生の診断は以下の通り。
・病名は付けられない
・多剤大量処方で一時的に気分が高揚し過ぎただけ or 
 元々そういう気質があり、それが薬が引金となって今回初めて躁鬱が発症した


気分が高揚し過ぎていた状態(躁状態)を入院中に治しました。
今後は外来で治療しながらまた調子が悪くならないか様子を見ます、とのこと。

まぁ、今まで薬の影響以外で気分が病的なまでに上がりすぎることは無かったので、
躁状態になったのは薬のせいであるのは間違いないけれど、
実際は向精神薬自体が悪い訳ではない。
患者に言われて、簡単に多剤大量処方する医師にも問題はあるが、
薬物で遊んだり、薬物に快楽を求めたりする俺の薬に対する考え方が一番悪い


入院から2ヶ月半経過した辺りから、S病院の向精神薬の効果が完全に切れた上に、
M病院での気分が落ち着く処方のせいで、最初の時以上に落ちた精神状態になっていた。
F先生にそれを訴えても、気分の落ち着くような薬の処方のままで変更は無かった。

M病院には躁状態の時に来たので、F先生にとっては躁状態の印象が強かったからだろう。
気分を持ち上げる類の薬は一切処方してもらえなかった。

退院直前には過鎮静とも言えるほど、気分が安定を通り越して落ち込んでいた。
とにかくぐったりしてやる気なんて全く出ない状態だ。


退院予定時刻の16:00に両親が迎えに来るので、
ホールで椅子に座りお茶をすすり、色々考えながら、迎えを待つ。

退院して、晴れて自由の身になったら何をしよう?
専門学校の方は・・・
・内定取消
・留年決定
・躁状態のまま学校へ行って醜態を晒した

もう一回二年生

行きにくいな・・・

いやそもそも鎮静し過ぎている状態で、何かやろうというのが厳しいか。
できれば頃合を見て薬を切って、ゆっくり休むべきだ。
薬が完全に切れた状態でやっていけそうなら、そのまま薬無しの状態でやっていけばいい。

あれこれ考えている内に、迎えが来た。
2Fのこの閉鎖病棟からエレベータで1Fに降りる。1Fは開放病棟だ。受付窓口も隣にある。
窓口で入院費を払ってM病院を後にする。

その後、外来でM病院に通ったが、落ちた気分は一向に改善されず、
それをF先生に説明しても、とにかく鎮静作用のある処方しか出してくれず、
ずっと過鎮静状態が長く続いてしまった

学校にも行けないし
仕事する気力もないし
薬を切るにも、親が「また躁状態になったら大変だ^^;」と言い、強制服用させられるし
(薬のせいで躁状態になったと言っても納得してくれない)
過鎮静でやる気がほとんどなく、食事・風呂くらいが精一杯だし
文章すらまともに書くことができないし

M病院を退院し、外来に切り替えてから2ヶ月くらいの頃だっただろうか。

もうとにかく何もできなくて、その状態から抜け出す手も考えられなくて、
常時朦朧としているような頭に浮かんだのは・・・結局、薬だった
躁状態の時に、市販薬でも飛べるなんてのを聞いたのを思い出した。

その時は処方で十分だったので、ほとんど興味も無かったが、
市販の薬で一時的にでもハイになれれば、この状態をなんとかできるかもしれない

そんな訳無いですよね

他にいくらでも方法はあったと思います

でも思考能力が極度に鈍っていたんです。それしか無いと本気で思い込んでいたんです


気合で薬局へ行って、ブロン84錠を二つ購入する。
ブロンスレのテンプレを見ると、イクナイ使い方をする場合の適量は20〜30Tのようだ。
※1T→1錠のことね

そして168錠飲んだ。84錠2瓶全開一気飲み。どうしてこれだけ飲んだかは聞かないで。
そして吐き気も堪えてほとんど身体に多量のブロンを吸収した。

最初こそ気分が良くなったものの、すぐに気持ち悪くなって戻し始める。
しかし既にブロンの成分はほとんど吸収済みで、出るのは透明な胃液のみ。

翌日、タバコを吸いになんとか玄関先へ出ようとするも、
転倒して水の入った灰皿を玄関の鏡にぶちまける

それで親にバレ、ブロンODの事を伝える。過鎮静のことも同時に伝えると、
M病院ではなく、内科のC病院へ連れていってくれるとのこと。

C病院血液検査を受ける。結果は悪く、即入院
診断名は急性腎不全
人工透析も考慮されたが、点滴を打ち安静にしているだけでなんとか回復した。

退院の際、一年間お酒は飲まないでくださいと言われたが、
退院後の外来治療の必要はなく、食事制限も無かった。
しっかり治ったとのことです。

入院中、面会時に親と相談して、今後M病院へ行くのをやめることになった。
腎不全の後に薬物療法を受けるのはリスクが高すぎるということと、
M病院での治療中の過鎮静状態を理解してくれたからだ。



そしてその後、精神科には一切かからず、
薬を使わずに社会復帰し、健康的な生活を送り始めて現在に至る。







なんて






・・・なんて簡単にはいかず、C病院の退院後から徐々に調子が悪くなってしまい、
結局、最初の就職試験後辺りの精神状態に戻ってしまった
しかも精神的なものが原因で外出不能、というオマケ付きで。

結局このS病院から約半年の間は何だったんだろう。

しかし上の方でも書いたが、薬を用いた精神療法に対する考え方だけは良くなったと思う。


向精神薬は精神的な悪い状態を抑える為に適量を用いて、
その悪い状態が薬によって抑えられている間に、
薬無しでもやっていける環境を作るよう努力する。
その環境が出来てきたら、頃合を見て薬を減らしていき、
最終的には薬を完全に切る

これが自分の理想です。


薬で遊ぶとエラい目に遭います。


市販薬でも処方薬でも正しく使ってください。まぁ、当たり前のことですけど。


そしてC病院を退院後、一年と3ヶ月経過して、今現在に至ります。
今は気合を入れれば軽く外出はできるが、やはり毎日外へ出て働いたりすることは不可能。

これ迄色々試行錯誤して、薬を使わない自分なりの治療も試みたが、あまり効果は上がらなかった。

やはりそうなるとまた精神科のお世話になるしかないのだが、
躁状態になったり急性腎不全になったりと、精神科の病院に関わるとロクなことが無かったので
親を説得するのにかなり手間取ってしまった。

だが、最近やっと精神科での治療再開の許可を得られた
今度は自分自身も真摯な姿勢で治療に取り組んでいこうと思う。



ここから先は現在進行形。



もし治療を再開して経過が良好で、社会復帰できればその時に別コンテンツで続きを書こうと思います。
けっこう長い入院記になってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
感想くれると喜びます。


蛇足ですが、しっかりと治療を受けたい場合、医者を選ぶ際に気を付けるべきことは・・・
・初診から4種類以上の多剤処方をする
 (患者の状態の程度にもよるだろうが、軽度の患者なら普通は無い)

・患者側の質問に全く答えない or 全然聞いてない

・処方・治療方針に口出しするな というような医者

これに一つでも当てはまる場合は、即刻他の病院へ行きましょう。
あまり欲を言うとなかなか見つからなくなってしまうかもしれませんが、
変な医者に当たってしまうよりは、
少しだけ時間をかけて、自分に合った医者を探した方がよいかと思います。



それでは、またの機会に。


                                                  2008/02/29 しゃぶ


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